ヒューマンネットワークグループ代表 齋藤伸市ブログ

弊社の営業姿勢

私が保険会社の保険セールスだった頃のことです。
皆様が推測される通り、
保険営業は極めて単調なものでした。

目標を達成するには、
新規の契約を伸ばさなくてはなりません。
毎日、エリア内の多くのお客様を訪問するのですが、
保険の話が出来るのは稀です。

当然、会うやいなや、お断りの返事が返ってきます。
また、罵声を浴びせられるのも日常茶飯事でした。

そのような中、組織を活性化させる工夫が、
うまく施されていました。
単調な仕事だからこそ、
やる気を出させる仕組みが確立さているのだと思います。

保険を獲得できると支店長をはじめ、
上司から握手で迎えられ、祝福されます。
そして、机の上の天井には目立つように短冊が張られ、差別化されました。
これで人間の優越感を煽っているのだと思います。

また、営業成績を表すグラフが目立つ位置に掲示されていました。
上司、同僚から絶えずチェックされ、目標達成は当たり前。
スランプの人間には上司の叱責の声が飛びます。
駄目だと恥ずかしいし、
周りから良く見られたいから、皆、頑張っていました。

私はたまたま保険会社でこれらのことを経験・目撃してきました。
が、多分、見られるのは保険会社だけではないと思います。
大きく成長している会社では、
多かれ少なかれ、同様なのではないでしょうか。

また、お金や旅行をインセンティブとして出す会社があることも聞きました。
"馬に人参"とも例えられ、
これも、売り上げを伸ばすには有効な手段だと思います。

ですが、現在の私の会社でこれらを導入する気はありません。
当然、営利を目的としておりますので、
売り上げを伸ばしたいとは思います。
が、契約ありきで営業する弊害も否定できません。

営業数字だけで社員を叱咤激励したとしましょう。
社員は契約、契約で仕事をすることになります。
すると、契約を欲しさに、
社員がお客様をぞんざいに扱う可能性も出てきます。

そうなっては、お客様のためにも良くありません。
もちろん、会社のためにも良くありません。
そして、社員もいずれは仕事がつまらなくなるのではないでしょうか。

私はご契約を頂く結果よりも、
大切なのは契約に至るまでのプロセスだと考えます。
ただ単に、通り一遍の保険のご説明をするのではなく、
お客様の内容を十分に理解し、
より実態に則したご提案をさせて頂くことが重要です。

結果、ご契約に至ったら、
一層、お客様に喜んで頂けるのではないでしょうか。
そして、社員のやりがいも生まれますし、会社も成長していくでしょう。

綺麗ごとかもしれません。が、
そんな会社にしていけたらと願っております。

オフィスには短冊もないし、グラフもありません。
でも、ご契約が頂けたら、
せめて握手くらいして労をねぎらいたいと思いますが...。

2006年4月25日 18:01 | 雑感・その他 | トラックバック(0)

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