ヒューマンネットワークグループ代表 齋藤伸市ブログ

ある日の定食屋で

会社の近くに廉価の定食屋があります。
先日、いつもより増して注文のレジに客が並んでいました。
ベテラン従業員がてんてこ舞いして、方々から怒声が聞かれます。

どうも接客の係が若い新人らしく、客の案内、オーダー、配膳、
雑用等の仕事を効率良く熟していません。
列の後ろの客は、対応の遅さを見兼ねて店から退出を始めました。

出来上った料理も、早く配膳しないと冷めて不味くなる筈...。
にも拘らず、接客の係は焦っている素振りは見えるのですが、
一向に埒が明かず、汗をかきかき、顔つきも泣きそうです。

ところで、大手牛丼屋チェーンの売上げが発表になりました。
実際の数字は省略しますが、各社前年の実績よりもダウンで、
値下げの効力が無くなって、どの会社も戦略の見直しを
余儀なくされているようです。

薄利多売の牛丼チェーン...。
テレビニュースでは、オーダーから1分以内で料理を出している
会社を紹介していました。
この定食屋の様にもたもたしていたら、売上減は避けられません。

店員の対応の不味い様子を見ながら、『店長は昼の忙しい時間に
何故、ベテランの従業員を使わないのだろうか?売上げが
落ちたら責任は自分に及ぶのに。』などと思いましたが、
やがて、その考えも間違えかなと気付きました。

いつまでもベテランの従業員に依頼心を起こすわけにはいきません。
突発的に不在の時がありますし、若い人も育っていかないでしょう。
遅かれ早かれ、若い人に修羅場を潜らせなくてはならないのです。

どんなに慣れて効率的な接客が出来る人でも、新人で要領を得ない
時があった筈で、ひょっとすると、この日に見た新人は仕事が辛くて
辞めてしまうかもしれません。
が、逆に、暫くして板に付いた時、気力・体力に勝る若い人だったら
ベテラン以上の戦力に成り得るのではないでしょうか。

責任者の中には心配で若い人には任せられないという人がいますが、
責任が自分に及ぶことを防ぐための逃げの場合がありそうです。
そう考えると、この定食屋の店長の決断・勇気には敬服します。

皆さまの中で「まだまだ任せられない...。」などとお考えの方も、
ぼちぼち勇気を持って仕事を移譲されたら如何ですか...。
などと、我が身の反省を兼ねながら思ってしまいました。

2012年10月15日 10:40 | いろいろ気づいたこと | トラックバック(0)

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