ヒューマンネットワークグループ代表 齋藤伸市ブログ

バブル時代と同じ轍は踏まない

◎建築費高騰
◎消費税アップ
◎相続税の増税
◎今後の金利動向...

20年前の不動産バブルを思い出しませんか?
相続を専門とした税理士の先生に、
バブル当時を振り返ってお話を伺いました。

バブル期に節税を目的に
アパート・マンション・貸事務所を建てた地主は
その後とても苦労したそうです。

家賃収入で銀行借入れを返済するシミュレーションはその通りいかず、
他の所得で支払ったり、返済のために更に借入れしたり、
最後はあきらめて、土地建物を手放し
結果的には破産した地主が日本中にあふれていました。

例外の収益物件は
・大都市圏の主要な駅から徒歩5分以内の場所にある。
・建築費は自己資金で借入をしない。
・地主さんが自宅を兼用していない。
・節税目的ではなく、経営を目的にしている。
・価格競争に巻き込まれない魅力ある建物。
だそうです。

特に会社勤めの方を対象にした建物であれば、
会社まで45分程度。
ドアツードアで最大1時間が通勤時間の限度だそうです。
それ以上を超えると途端に借りる人が減り
家賃を下げなければ埋らないとのことでした。

バブル期の家賃と現在の家賃がほとんど横ばいです。
建築コストは何処に建てても同額ですから、
立地条件と家賃の設定でミスは命取りです。

また、建物は10年を超えると様々な修繕費がかかります。
これらのリスクを想定して考えると、
迂闊に手は出せません。

以前、銀行の紹介により保険のご契約をいただいた
お客様がいらっしゃいます。(銀行融資で建築した場合、
その建物に火災保険を掛けて、質権を設定する為です。)
その方が私にとてもショッキングなお話を
されていましたのでご紹介します。

先祖代々の土地は手放したくない。
地価が高騰し、このままでは相続税が支払えない。
と考えて銀行が主催したセミナーに参加して
個別相談会で知り合った税理士から節税対策として
収益物件の建築の提案を受けたそうです。

『銀行借入れは、入居率70%以上であれば家賃収入で返済できる。
上物を建て、借金があれば相続税を軽減する効果がある。
先祖代々の土地を手放さないで済む。』

ということで実行に踏み切ったそうです。
しかし、空室が一向に埋まらず家賃保証してくれてた建築会社が倒産。
悪いことが重なり、最終的に手放すことになったとのこと...。

実行するか否かの検討をしていた当時、地元の不動産屋さんより
その土地を5億円で買いたいという話があったそうです。
今考えるとあの時売っていたらと後悔しています。
と、おっしゃっていました。

ちなみに、同じように銀行から紹介を受け、
保険の契約をいただいたお客様のほとんどが壊滅状態でした。
当時の損害保険の仕事を通じて、
バブル崩壊をこのような形で体験したのです。

最近の新聞を見ると
「土地有効活用・相続税対策セミナー」
「賃貸住宅で相続税節税」
などのキャッチコピーが毎日のように目に飛び込んできます。

決して否定しているわけではありませんが、
どうか20年前のことが繰り返されないことを祈っています。

歴史は繰り返されると言いますが
結局、リスクは全て契約者に降りかかってくる...。
このことは決して忘れることは出来ません。

2014年2月 4日 10:00 | いろいろ気づいたこと, オーナー家の相続・事業承継 | トラックバック(0)

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